股関節の前面、鼠径部の痛みが変形性股関節症の代表的な部位になります。ただ、画像診断で股関節が変形しているのが原因と診断された方でも、股関節を動かす筋肉同士の癒着や神経との癒着をはがし、神経に反射を起こして筋肉が正常な動きを取り戻すと、痛みが激減する方も多数おられます。

　筋肉でいえば、大腰筋という腰骨の前側から恥骨の横を通り股関節につく筋肉が横を通る筋肉と癒着して滑走不全を起こし痛みを拾うことが多く見受けられます。

　また閉鎖神経という神経が横を通る筋肉と癒着して痛みを拾うこともあります。

　当院では、癒着箇所を特定して癒着があればそれをはがし、股関節を動かす組織に反射を起こして誤作動を起こしている筋肉を再教育します。ほとんどの患者さんの股関節の可動域が拡大し、動き始めや歩く時の痛みが緩解していきます。

　股関節前面の少し外側の痛みは、ももの前の筋肉が骨盤に付着する3つの腱のうち、一つが骨盤外側から伸びる他の筋肉と癒着してしまい、特に立ち上がり時に痛みを拾ってしまうことが多いです。

　結構頻繁にみられる症状で、歩き方もびっこを引くような感じになる方もいます。長年座り仕事をしていたり、横向きで寝ている方に多く見受けられ、癒着をはがしてから関節や筋肉の動きを神経反射を使って再教育してあげると、痛みは徐々に拾わなくなっいきます。

　股関節の外側の痛みは、やはり長年横向きで寝ていたり、テレビを見ている方が多いです。

　この部分には中殿筋、小殿筋という筋肉が重なり合っていますが、横向きで寝ていると下になった場合は長時間圧迫を受けて癒着し、本来の機能が損なわれます。

　また、長時間上側にしていると、股関節部分でテコの原理が働き、脚の重みで常に引っ張られた状態になります。神経や筋肉は長時間伸びていることが大の苦手のため痛みを出したり（それ以上引っ張らないで!!という脳からのサインだと思ってください）　縮めなくなり体重を支えられなくなります。

　施術は、癒着した筋肉や腱をはがしていき、途切れてしまっている神経の流れを反射を使って回復させていきます。神経の流れが良くなると、筋肉や関節は脳の指令通りにうごくためイレギュラーな動きを起こさず痛みを拾わなくなります。